「ほるぷ」こども図書館へようこそ!!

読み聞かせの体験作文 (NO,1〜NO,2)収録 

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お母さんの読み聞かせ体験記1.お母さんのための「絵本の選び方・与え方」より
    「ほるぷこども図書館」への母親の声  
                                 兵庫県  Y.Y. 様
 昨年6月、幼稚園で「子どもの本の与え方」という講演会がありました。その中で、「きれいな絵本をみせなさい。原本に近い本をみせなさい。そして、”字が読めるのだから自分で読みなさい”というお母さんがいるが、字が読めるということと、本を楽しむということは別のことなんだ」と聞きまして、今まで「お母さん読んで。お母さん読んで!!」と来る子に、「今、忙しいから自分で読みなさい。もう自分でよめるでしょう。」といっていた自分が恥ずかしくなり、これではいけない、少し読んであげなくては・・・

 ・・そう思って帰った日、たまたま”「ほるぷ”さんがみえました。こども図書館のカタログを見せられ、いろいろな出版社の本が、それもいいものばかりが集められていて、今まで良く廻ってみえる本のセールスマンの方が持ってみえるものとまるで違い、すぐに欲しくなりました。でも、セットになっていて金額がはるので、考えました。一度に与えすぎては本を乱雑にしないかとか、もし読まなかったら、という不安もありました。その日はたまたま私の誕生日でした。子どもの本の為にたくさんのお金を出すのは惜しいけれど、私の為に買おう、大人だってたまには、絵本を読む余裕があってもいいだろう。などと考え、月々の支払いは何とかしてみようと、決めました。

 本が届いたとき、全部の本に”Y.Y.31歳のバースデーに”と書き込み、子ども達に「これは、お母さんの本だから、読んでもいいけど、大切にしてね。あなた達がお父さん、お母さんになった時に、半分づつわけてあげるから、それまで大切にしてね」と言い聞かせました。そして、その日から、毎晩、寝る時に、二人の好きな本を一冊ずつ読んでやっています。中には、私だったら本屋さんで選ばなかっただろうと思う感じの本を、子どもは大好きで、何度も何度も読まされます。やはり、本当に良い本だけが選ばれ、セットされているということは、母親の好みを子どもにおしつけることなく、いろいろな分野の本が入っていますので、セットで買うことの良さを初めて知りました。

 私は子どもの頃から、あまり本が好きでなく、よく母にしかられたものです。大人になるにつれ、本の大切さを知り、よく本を読まれた方とお話をすると、恥ずかしい思いをすることがあり、自分のこどもだけは、本の好きな子にしてやりたいと思っていました。それなのに、子どもは、テレビを見るか、外で遊ぶかで、遊びにきたお友達は、すぐに本を出して見ているのに、うちの子は時間があっても、パラパラとめくることもしなかったのです。小学校の四年生頃になると、本の嫌いな子、読めない子は、国語だけでなく、算数なども、何が書いてあるのか読解力がなく、ついて行けない子が多くなる・・・・・・などと聞くと、なお、親はあせります。でも無理じいせずに、何とか本を楽しいもの感じて欲しいと、祈るような気持ちで、”ほるぷ”から買った本を読み始めました。

 本を嫌いな私でも、きれいな絵本は楽しく読めます。毎日、子ども達に読んでやっているうちに、「今日はこれ、明日はこれよ!」と、台所で片付けものをしている私に向かって、本を抱きながら「おかあさん、まだ?」と待つようになりました。遅くなりそうな時は、片付けものを後にして本を読むことになるので、夜遅くなってからガチャガチャと片づけものをすることも、よくあります。せっかく高いお金を出して買った本を、無駄にはしたくないと思う心と、本を好きになって欲しいという願いで、頑張っています。

 あまり忙しいときは、主人が読んでやってくれる時もあります。そして、とても良かったのは、”ほるぷ”の人から、絵本は普通の本のように置くのではなく、表紙が見えるように置くのが理想的な置き方だと聞いて、さっそく壁のところに、本を表向きに一、二冊立てられるくらいの桟を作ってみました。すると、どうでしょう。本当に子ども達の本を見るめ目が変わって来たのです。「アッ、おかあさん。あれ読んでないよ、これもよ」と表紙を指さしながら、こんどはこれ、その次はこれと、とっても楽しそうに選ぶのです。そして今まで、朝おきたらすぐ、テレビのスイッチを入れに行っていた下の子が、枕元にある本を広げて、「おかあさん、きのうのこのイグアナ、おかしかったね」などといって見ているのです。あれからもう九ヶ月あまり、朝のテレビは、我が家からは消えてしまいました。

 毎晩、本を読んでやるうちに、いろいろなことに気づきました。私の一番の収穫は、子ども達が少しずつ本を好きになって来たことです。まだ、好きでたまらないとこまではいきませんが、先日もお友達が集まった時、みんなが一冊ずつ一番好きなのを読みっこしょう・・・・といって、わたしから読んでもらう調子で読んでいるのです。そして、私がもっと驚いたのは、あの何年も続いていた、上の子の寝言が止まったことです。その寝言というのは、泣き叫ぶような大声で、いつもケンカをしているようなもので、この子は楽しい夢を見ることはないのかしらと、心痛めるものでした。

 特に、昼間、しかられたりした時などは、ひどかったようです。その寝言が、本を読みだして四,五ヶ月頃から止まったのです。それには本当に驚きました。母親から本を読んでもらうことが、どれほど子どもの心を安らかにしているのかを知りました。
今までは、「もうすぐ九時よ。はやく寝間着に着替えて寝なさい」で終わりでしたが、今では、お蒲団の中で、私の右と左に子どもを寝かせて、読むからには少しでも楽しくと思い、楽しい話の時には楽しいように、悲しい話の時には、悲しい声で読んでやります。そして2冊の終わりの方では、寝入ってしまうこともしばしば・・・・本当に安心して眠りにつくのでしょう。
 本の内容もですが、お母さんが私の為に読んでくれるという満足感が、子どもにとってなによりも嬉しいのだということも知らされました。

 私には、「これは、お母さんが小さいときに読んだ本よ」と云って、子どもに伝えられるものがありません。私の母は、毎晩、お話を聞かせてくれましたが、そのお話も忘れてしまいました。だから、私の名前の本が欲しかったのです。(31歳じゃ遅いけど)。この子達がいつか、「この本はね、お母さんがおばあちゃんから、毎晩、読んでもらった本なのよ」といって、私の孫に読んでくれる日が来ることを夢みて、大切に取っておきたいと思っています。

 近頃では、幼稚園の先生になることが夢だった長女が、「世界の絵本画家になることにしたよ」と言い出しました。絵本画家なんて、とても才能が・・・と内心思っても、「素晴らしいことね。頑張んなさい。いい絵本をたくさん見てないといけないね」と私の声もはずみます。絵本画家にはなれないかもしれないでど、そんな職業があると知ったことだけでも、大きな広がりではないかと・・・・・本当に、六月に講演して下さった先生、そして、たまたま訪問してくださった”ほるぷ”さん。言葉ではいいつくせない感謝を致しております。

 まだまだ、母親が気づかずに、「うちの子は本が嫌いでちっとも読まない・・・」と悩んでいらしっしゃるお母さんがたに、私の体験をぜひ知らせてあげてください。 本当にありがとうございました。

            2.ほるぷこども図書館 我が家の読み聞かせ体験記 より
          心に美しい種まきを
                                             石川県   M.Y. 様
    
  「ほるぷ」こども図書館に出会ってから、かれこれ3年になる。「めだかコース」から少しずつ揃え始め、今年のお正月のお年玉を貯めて念願の「うさぎコース」を手に入れた。思い返せば、「めだかコース」を買おうかと迷っていた時、そんなに沢山の本は要らないのではという気持ちや、これはあくまでも、「ほるぷ選定」で、私は私なりのライブラリーを持とう(実際、それはなかなか難しい事が後になって分かった)など、多少気負った事も考えたりして、なかなか決心がつかなかった。
 が、ほるぷの方の勧めもあり、子どもも二人(現在は三人)いる事だし、二人で読めば元も取れるのでは、と打算めいた事も考えた上、とりあえず、「めだかコース」を買うことに決めた。

  その結果、いろいろなジャンルの本が入っていて、地味ながら子どもの好きな本もあり、書店では自分の好みから言って、たぶん手にしないであろうと思われる本の中にも、あれっと思わせるものもあり、さすが選び抜かれた本だと感心させられた。それから、毎晩、寝る前の絵本タイムが習慣となった。

  読み聞かせを続けてきて思うの事は、子どもの中に良きイマジネーションが育ってきているという事だ。家で上の二人が家中の物を引っ張り出して、ごっこ遊びをしているが、その想像力たるや叱るのを通り越して感心する程である。また、このおかしみ(ユーモア)は、幼い子にはきっと理解できないのではと思う場面でも、ちゃんと反応して笑うという事に随分驚かされもした。こんな単純な事一つにしても、話の前後関係を読み取る力があってはじめて、ある場面で「笑う」という行動が起きるのである。そして、ユーモアを理解する能力というものも、実はこんなに幼い時から始まる物だと言う事を私自身学んだのである。

 そんな訳で、我が家には絵本は食べ物と同様、心の栄養として欠かす事の出来ない物となった。
 朝は「バタバタパンのにゃむにゃむパン」(『バタつきパンのジャムつきパン』福音館書店)から始まり、雪道を歩く時は、だんだん疲れて歩こうとしない子らに「さあ、けいてぃーになって頑張るよ。」と言うととたんに元気になって「ちゃっちゃっちゃっ」などと言いながら坂道を登り切ったりする。また、時々は、ヒッポになって「グァオ。おんにちわ」などと言って遊んでみたりもする。こうした絵本を通じた遊びというものは限りなく、またそこに一種、秘密の―その絵本を体験したものにしか分からない―共通体験のようなものもあり、その気分が一層、その遊びを盛り上げるのである。その時、自分も心はまったくの幼い頃に戻り、子どもたちと戯れる事ができる。
 

 このように、目に見えないものを、あたかも現存するもののように、身近に感ずる力や、また何か自分以外のものになり切る力―これも想像力という意味で将来「思いやり」の気持ちの基礎になる力だと思う。― などが絵本を読む事により親子で一冊の本を楽しんだその体験が、子どもの心に深く沈んで、これからの人生の折々に生きる力の源となって欲しいと思う。

 ブランド物で着飾るより、お下がりを着ていてもキラキラ輝く目を持った子どもにしたい。
心の中に沢山の宝物を持った子どもに。  心に美しい種をまいて、いつか人生の困難にぶつかった時、心の拠り所となれる温かい経験を今、積み上げてやりたいと心に願っている。

Y.Y.様の作品は、1981年小冊子「絵本の選び方与え方」刊行時のものです。
 そして、 M.Y.様の作品は1995年(株)ほるぷ にて読み聞かせ体験記を募集いたしました時の物です。
   私も、このお母様方の作文を読ませていただき 感動を致しましたので ここにご紹介致しました。
※ 本文中の”ほるぷ”は、現在、書籍取次ぎの(株)日販の事業部門の会社へ業務を移行しています。
  (株)エヌ・エイ・シーと称します。 現在の「ほるぷ」こども図書館を支えている中心の会社です。


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